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エコハウスの豆知識
エコロジカルな家編
テーマ2:『木造の良さってなに?』
シキタ「都会のマンションに住んでいると、壁も天井も壁紙に覆われていて、床もピータイルや絨毯。なんだか癒されるつながりがないですよね。
だから戸建てにするならやはり木造っていいなあと思うのですが、そもそも木造の家の良さってなんでしょう?」
山田「木の家について語る場合、大きく分けて三つの視点があると思います。一つは『建物の内なる環境』です。つまり、そこに住む人にとって、やさしい室内環境をつくることができるかどうか、ということです。構造材を含めて、内装、外装に木材が使われている、ということはその自然素材感が人間という『生命』にとって基本的にマッチングがいい、ということがまずあります。私はよく無垢の杉の厚板を床材として使いますが、その足触り、踏込み感やあたたかさは格別です。無垢の木にはやはり安心感があります。
我々が『木の家』というと、それは単に一部に木が使われているということではなくて、同時にできるだけ自然素材だけでつくる家を意味します。だから家全体が呼吸します。木材自体はいうに及ばず、その他の土や漆喰、珪藻土なども調湿作用や匂いの吸着作用などがあるようです。だからこうした木を主体とした自然素材の家は、家に入ると気分的にも物理的にも清々しくなります。ただ、同じ木質材料といっても接着剤など化学物質が多用された建材などもありますので、それらは気をつけて選択する必要がありますよね。」
シキタ「へえ〜。そうですよね、自然素材だと清々しくなりそうですよね。
赤ちゃんも老人も安心して住めそう。
で、第二の視点は何ですか」
山田「二つ目の視点としては、「建築の外部環境との関わり」だと思います。日本の国土の約七割はいまだに森林です。これは諸外国に比べてとても高い割合です。日本は昔から森の国なのです。その豊かな資源をもとに日本の気候風土にあった住まいをつくってきました。それが木の家です。ですから、そこにはそれを培って来た歴史の知恵が詰まっています。現代の技術を加味しながら、その知恵の良さを生かし、延ばして行くことができるのが木の家だと思います。
また、日本全国至る所に木はあるわけですから、それを使った運搬エネルギー、製造時の消費エネルギーが少ない「地産地消」型でかつ地域経済に寄与するような家づくりが可能といえます。
そして、何よりも木という自然素材でできていますから、気候変動問題と絡めて言えば、カーボンニュートラル(※)なわけです。そして最終的には土に還る素材なので、きわめて循環的で、環境に対するインパクトも最小限で済みます。昔は、構造材を使い回して、何回か家として使ったあとには、それをスライスして板として使い、その役目が終われば、薪として使い、その灰は畑へ還す、という循環が知恵としてありました。そんなことも可能となります。
このように、地下資源も環境容量も有限であることがはっきりしたいまの時代、住まい手だけでなく、環境に対してもやさしいのが何よりも木の家なのです。」
※カーボンニュートラル:木質資源はそれを利用する過程(例えば薪で燃やすなど)で二酸化炭素を排出するが、その分の二酸化炭素を吸って木は成長するので、再生産の循環がうまくいっている限りは二酸化炭素(カーボン)の排出量は差引ゼロ(ニュートラル)とみなす考え方)
参考URL:
「職人がつくる木の家ネット」 http://kino-ie.net/
「日本バウビオロギー研究会」 http://www.maebashi-it.ac.jp/~baubiologie/index.html
シキタ「へぇ〜。すごく奥深いですね。で、第三の視点は何ですか?」
山田「そして第三の視点としては「木の家をつくるプロセス」のことです。
日本の伝統的な木造建築技術は世界に類をみないほど高度に発達していると言われています。これは日本の誇るべき文化なのですね。この知恵を次世代に継承し発展させていくことで、日本の、あるいは各地の風土にあった、住み心地のよい家ができるのだと思います。この5、60年で日本の風景もまためちゃくちゃになってしまいました。木の家をつくり続けて行くことはその地域の景観の継承にもつながり、それがひいては社会の資産となることと思います。
環境容量の限界がいよいよ目に見えて来て、経済もまたそれにともなって「成長」できない時代です。それ故か、食の安全がクローズアップされてきたように、人々は手触り感のある、安心さと心地よさを必要としているのではないでしょうか。住まいもまたそうだと思います。その地域、地域の職人さんがその地域の技をつかい、手をかけつくる「木の家」にこそ人間らしい住まい方があるのだと思います。
海外から輸入された材料や化石資源主体でつくる家は一見合理的に見えますが、その陰では破壊されている環境、社会があります。また、己の足下も危うくしています。それは結局「安く」はないのです。
木の家のよさは、まるで手編みのセーターのように、暖かみがあり着心地も抜群です。それは結局長持ちすることとなり、結果的に長い目で見ればよいものを手に入れることとなると思うのです。」
参考URL:
「NPO法人 緑の列島ネットワーク」 http://www.green-arch.or.jp/
テーマ1:『エコで健康な家にすると高くつく?』
シキタ「こんにちは、山田さん。山田さんとはもう10年近くお付き合いさせていただいていますが、いつも本当にエコな家を大事に作り続けているなあと感心しています。いまは不景気な時代なので、家を作るということが、より慎重にならざるをえないので、このWEBを見ている人にかわって、私がいろいろとエコな住まいについて質問をさせていただきます。永い連載になると思いますがどうぞ宜しくお付き合いくださいませ。
それでは、最初の質問なのですが、エコや健康にこだわるとやっぱり家は高くなりますか?」
山田「この連載では、エコな家の真実をできるだけ包み隠さずお伝えしてきたいと思います。
エコな家は高いか?というのはいきなり核心ですね。高い、安いは評価軸によって変わってきます。エコで健康な家は、まずは使う材料が自然素材が中心となりますので、大量生産型の工業製品の材料に比べてやはり多少割高ではあります。でも国産の杉材などは外材の輸入に押されてむしろ安価です。大きく違うのは、自然素材はそれを扱う職人さんの目と技が必要なので、「手間」がかかることです。でも手がかかっている仕事ですから、それに見合うコストは決して「高く」はありません。手打のそばとカップ麺では当然お値段は違うのです。それとエコな設備と仕掛け、例えば太陽電池などを搭載するとその分のコストはやはりかかります。でもこうした初期投資は長い目でみれば、その投資額を回収できる可能性もあるので、結局お得、ということもあります。」
シキタ「なるほど。エコな家にしたいなら、目先の予算ばかり気にして安さに走るより、長期的に価値をしっかり考えた方がいいのですね。」
山田「たしかに最初の建設資金が用意できないとなると、建てること自体がむずかしい、という判断もあるでしょう。だけど、あとで資金が用意できたときに、必要なものを付加していく、ということもできます。安易に高額な機器や設備にコストをかけるよりも、まずはシンプルで本物の無垢の素材の家を手に入れるほうが実質的には家の価値はあると思うのです。
現在の日本の家は平均約30年で廃棄されていますが、物理的に耐用年数がきたから、というわけではありません。一方で、自然素材中心のエコな家は手がかかっていて安心感と愛着のある家ですから、長年に渡って住み継がれて行く使用価値があります。耐用年数が長くなり、結局安価になる可能性があるのです。
また、工業製品でつくられた家は化学物質等を多く含んでいたり土に還らないことから、シックハウスや産業廃棄物の問題を生んでいます。また輸入材でつくられる家は、海外の森林資源に影響を与えたり、輸入のための運搬エネルギーがかかっています。そうした他の隠れたコストを考えると、自然素材中心の家は人にも環境にもやさしくて、結局高くはないと思います。」
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聞き手 シキタ純(BeGood Cafe 代表理事) 1951年東京生まれ。1999年1月からBeGood Cafeの活動を開始。 エココンサルティングやエコイベント制作などの他に、エコビレッジ国際会議の開催などを通してグリーンな住まい方を追求している。 |
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お答え 山田貴宏(一級建築士事務所ビオフォルム環境デザイン室代表) 地産地消な木の家造りを中心とした建築/環境設計を行う。パーマカルチャーを背景に、建物とそれを取り巻く自然まで含めた幅広い住環境と場づくりがテーマ。 日本的なエコビレッジのあり方について実践を通して構築中。「PICA山中湖ヴィレッジ」、「畑がついているエコアパート」などを設計。現在「里山長屋暮らし」プロジェクト、「いるかビレッジ」プロジェクトなどが進行中。 新たなエココミュニティのあり方や方法論を展開しよう、とNPO法人トランジションジャパンに参加。 NPO法人 パーマカルチャーセンタージャパン理事。 NPO法人 トランジションジャパン監事 職人がつくる木の家・木の家ネット 会員 東京の木で家を造る会 賛助会員 日本大学生物資源科学部 非常勤講師 |











